老人ホームの費用が高すぎて不安！安くするための６つの対策を紹介

あなたは、

• 老人ホームの費用が高すぎて払えるか不安…
• 親の年金だけで足りるのか心配…
• もっと費用を抑える方法はないの？

などとお考えではありませんか？

老後2,000万円問題や円安物価高などが叫ばれる昨今、老人ホームの費用は予想以上に高く、しっかりと支払いできるか老後が不安ですよね。

結論から言えば、老人ホームの費用を安く抑えて、安心した老後生活を送るのも不可能ではありません。

しかし、老人ホームの費用を安くする方法を自己流で考えるのはオススメではなく、老人ホームの紹介会社や介護のプロに任せるのがオススメです。

なぜなら、老人ホームの費用や介護保険制度はリアルタイムで更新され、素人の独自判断で契約すると損する可能性が高いからです。

でも、安心して下さい。

結論だけでも知りたい方は、1章と2章だけでもチェックして下さい。

この記事を読んで、老人ホームの費用を抑えて、あなたの家族にピッタリの老人ホームを選んで下さい。

１章：老人ホームの入居費用を安く抑える6つの対策

1章では、老人ホームの費用を抑えるための具体的な6つの対策について説明します。

対策①：公的施設を活用して費用を抑える

「老人ホーム」とひとことで言ってもさまざまな種類があります。

老人ホームは以下のように分類できます。

老人ホームの種類

種類	公的/民間	対象者	特徴	入居金	月額費用
特別養護老人ホーム（特養）	公的	要介護3以上	費用が安く、常時介護が必要な人向け	0円	5万～15万円
介護老人保健施設（老健）	公的	要介護1以上	医療ケア・リハビリ中心	0円	8万～20万円
養護老人ホーム	公的	経済的困窮者	身体介護不要だが生活支援あり	0円	5万～10万円
有料老人ホーム	民間	自立～要介護	サービス内容充実、高級志向もあり	数百万円～数千万円	15万～50万円
サービス付き高齢者住宅	民間	自立～軽度の介護	バリアフリー設計、外部サービス利用可能	0円～数十万円	10万～20万円
グループホーム	民間	認知症	少人数制で家庭的環境	数十万円	12万～20万円

特別養護老人ホーム（特養）や介護老人保健施設（老健）は、公的施設として比較的安価な選択肢です。

ただし、公的な老人ホームは対象者や入居条件があるので、申し込む前にしっかりと調べておきましょう。

対策②：駅から離れた郊外の施設を選ぶ

郊外や駅から遠い老人ホームは、土地代や人件費が抑えられているため利用料が安くなる傾向があります。

自然に囲まれた良質な施設環境もかけがえのないメリットです。

訪問頻度と所有時間をふまえて「交通アクセスよりも生活環境」を優先する場合、郊外の老人ホームに入居するのも良いでしょう。

対策③：介護保険や補助金制度を利用する

介護保険制度や自治体補助金制度を利用すれば、自己負担額を軽減できる場合があります。

例えば、「高額介護サービス費制度」を使うと、所得区分に応じて月々の負担上限額が設定されています。以下が具体的な金額です。

高額介護サービス費制度の所得別上限額

所得区分	月額上限額
課税所得690万円（年収約1,160万円）以上	140,100円（世帯）
課税所得380万円～690万円未満（年収約770万円～1,160万円）	93,000円（世帯）
課税所得145万円～380万円未満（年収約770万円未満）	44,400円（世帯）
一般（上記以外の住民税課税世帯）	44,400円（世帯）
住民税非課税世帯	24,600円（世帯）
住民税非課税かつ年金収入等80万円以下	15,000円（個人）
生活保護受給者	15,000円（個人）

申請は市区町村の窓口で、サービス利用から2年以内に行う必要があります。

介護保険と医療保険の負担が重なる場合は「高額医療合算介護サービス費」も利用可能です

参考資料：厚生労働省公式資料

対策④：築年数が古い施設を選んで節約する

築年数が古い施設は、新しい施設に比べて利用料が安い傾向にあります。

ハード面が老朽化していても、長年の運営実績を活かした介護サービスに期待できる点はメリットです。

対策⑤：多部屋を活用して入居費用を抑える

個室よりも多部屋（相部屋）は利用料を大幅に抑えられます。

以下は国内で一般的な介護施設や病院における居室の料金例です。

部屋タイプ	月額費用	特徴
個室	約15万円〜30万円	プライバシーや快適性を重視した設計で、利用料が高めに設定されている。
多床室（相部屋）	約5万円〜15万円	設備やスペースを共有することで費用を抑え、個室の半額以下になる場合も。

参考資料：厚生労働省公式資料

ただし、プライバシー確保や騒音対策などについては事前に確認しておきましょう。

対策⑥：専門家に相談して交渉を有利に進める

老人ホームを選ぶ際は、専門家（ケアマネや不動産仲介業者）に相談してアドバイスを受けましょう。

契約時には空室状況などを踏まえて交渉すれば入居金値引きなど有利な条件を引き出せる可能性があります。

地域包括支援センターのケアマネからは、忖度の無いフラットな意見を聞ける可能性が高いです。

2章：費用に納得して老人ホームに入居する5つのポイント

２章では、老人ホームの費用に納得するためのポイントを5つ紹介します。

結論、老人ホームへ入居する前に上記ポイントをチェックしておけば、老人ホームの費用が高いと感じることはないでしょう。

老人ホームの入居契約をする前に、サービス内容と料金プランに「納得」しておくことが重要です。

ポイント①：施設見学でリアルな雰囲気を確認する

実際に気になる老人ホームを訪問見学して、スタッフの対応や入居者の表情、清潔さをチェックしましょう。

特に食事時間やレクリエーション中の様子を見ると、日常の雰囲気を把握できます。

施設を見学するときは質問リストを用意しておくのがオススメです。

2-2 ポイント②：サービス内容をくわしく比較する

これらのサービス内容を各施設で比較すれば、自分に合った老人ホームを選べます。

例えば、リハビリテーションの実施頻度も「週3回の実施」と「毎日実施」では、健康維持の効果に差が生じます。

経管栄養や透析治療など医療行為が必要な場合、どの程度まで老人ホームで対応できるのか具体的に確認しておくと良いでしょう。

ポイント③：費用の内訳を項目ごとに深掘りする

契約書の「管理費」や「共益費」の定義を明確にしましょう。

ある施設では「管理費」に清掃代が含まれず、別途請求された事例もあります。解約時の返金条件なども要確認です。

最初が肝心なので面倒臭がらずに、費用項目ごとの具体的な金額を必ず確認してください。

ポイント④：希望する条件に優先順位をつけておく

老人ホームに入居する際の希望や条件に、あらかじめ優先順位をつけておきましょう。

どのような老人ホームであっても、希望の条件すべてを満たすのは難しいです。

「医療対応必須」「月額25万円以内」など絶対条件を少なくとも3つに絞り、他の条件は柔軟に対応して決めていくイメージです。

ポイント⑤：専門家のアドバイスを早目に聞いておく

専門家のアドバイスを早目に聞くことで、正確な情報を得てトラブルを防ぎ、介護保険制度を有効活用して経済的な負担を減らせる場合があります。

「専門家のアドバイスを受けた」という納得感も重要です。

一度でも確認しておけば「あのとき相談していれば良かったかも…」と後悔しないで済むからです。

入居後の満足度が高まり、安心して生活できる環境を整えられるでしょう。

以上、費用に納得して老人ホームに入居するポイントを5つご紹介しました。

これらのポイントを抑さえておけば、老人ホームの費用が高いと感じることなく、満足度の高い選択ができます。

3章：老人ホームの費用相場と内訳

３章では、老人ホームの入居費用の相場、内訳や追加料金について説明します。

結論から言うと、老人ホームのタイプ（公的施設・民間施設）で費用は大きく変わります。

まずは費用相場から順番に見ていきましょう。

老人ホームの費用相場（公的・民間）

老人ホームの費用相場（公的施設・民間施設）

費用項目	公的施設	民間施設	注意点
初期費用	入居一時金：0円 保証金：不要または少額	入居一時金：0円～数千万円敷金 保証金：10万～100万円程度	公的施設は初期費用が低いが、入居待ちが多い
月額費用	家賃・管理費：5万～15万円 食費：2万～5万円	家賃・管理費：10万～30万円 食費：2万～7万円	民間施設はサービス内容で費用が大きく変動する
追加費用	理美容代・日用品など実費負担	医療費・リハビリ・おむつ代など実費負担	追加費用は契約内容を事前に確認することが重要
介護サービス	介護保険の自己負担分（1～3割）	介護保険の自己負担分（1～3割）＋追加サービス料金	民間施設はサービスが充実している分、費用も高くなりやすい

参考：厚生労働省公開資料

結論、老人ホームは公的施設の民間施設よりも費用を安く抑えられます。

老人ホームの費用相場のポイントは以下の通りです。

公的施設の費用相場（特別養護老人ホームなど）

公的施設は初期費用0円、月額5～15万円と安価です。

年金の範囲内で利用できることが多いですが、入居待ちが長い傾向があります。サービスは標準的です。

ただし、公的施設への入居は介護度や入居期間に定めがある場合が多いので、事前に入居条件を調べておきましょう。

民間施設（有料老人ホームなど）

民間施設は初期0～数千万円、月額10～30万円と公的施設に比べると高めです。

サービスや設備が充実している施設ほど高額です。

契約内容や追加費用についてしっかり確認しておきましょう。

追加費用

どちらの施設も医療費や日用品などの実費負担が発生します。

特に民間施設はサービスが多様な分、追加費用も大きくなる場合があるので、予算とニーズに合わせて検討してください。

3-2 老人ホームの費用内訳（公的・民間）

老人ホームの費用内訳

費用項目	公的施設	民間施設	注意点
初期費用	入居一時金：0円〜数十万円 敷金・保証金：なしが一般的	入居一時金：0円〜数千万円 敷金・保証金：10万〜100万円程度	公的施設は初期費用が低いが、入居待ちが発生する場合あり。
月額費用	家賃：5万〜15万円 食費：4万〜5万円 管理費：1万〜2万円	家賃：10万〜30万円 食費：5万〜10万円 管理費：2万〜5万円	民間施設はサービス内容や立地条件で大きく変動。
水道光熱費	居室使用分：定額制または変動制（数千円）	居室使用分：定額制または変動制（数千円〜1万円以上）	契約時に料金体系を確認し、生活スタイルに合った方式を選択すること。

参考：厚生労働省公開資料

内訳や水道光熱費のポイントは以下の通りです。

初期費用の内訳

老人ホームの初期費用には、入居一時金や保証金が含まれます。

これらの費用は施設によって大きく異なり、数十万円から数千万円に及ぶ場合があります。

入居一時金が高額な場合でも、一部返還制度を設けている施設もあるため、契約前に確認しましょう。

月額費用の内訳

月額費用には、家賃、食費、管理費、介護サービス費などが含まれます。

民間老人ホームの平均的な月額費用は20万〜30万円ですが、介護度や施設の立地条件によって変動します。

特に要介護度が進行すると追加料金が発生する場合が多く、長期的な視点での計画が必要です。

水道光熱費

老人ホームの水道光熱費は、居室使用分として数千円～1万円程度発生します。

定額制か変動制かは施設により異なり、介護付きホームで約6,500円、住宅型で約5,400円が平均です。

共用部分は別途請求の場合もあります。

4章：老人ホーム10年間の費用シミュレーション

4章では、老人ホームの入居一時金や月額利用料、介護サービス費用など、10年間住んだ場合の費用シミュレーションをご紹介します。

具体的には「自立状態で10年間」「要介護状態で10年間」「自立状態＋要介護状態で10年間」の3パターンを考慮しています。

シミュレーション①：自立で10年間を過ごす

自立（10年間）のシミュレーション

施設の種類	入居一時金	月額利用料	5年後の費用	10年後の費用
公的施設	0円	10万円	600万円	1,200万円
民間施設	574万円	23万円	13,80万円	27,60万円[優槙16]

自立状態で10年間生活するパターンは、健康状態が安定している方にぴったりです。

公的施設は費用が抑えられ、民間施設はサービスが多彩で、入居者の生活を豊かにするプログラムが充実しています。

ただし、公的施設は入居条件があるので事前に確認をしておきましょう。

シミュレーション②：自立で5年間＋要介護で5年間を過ごす

自立（5年間）＋要介護（5年間）のシミュレーション

施設の種類	入居一時金	月額利用料（自立）	月額利用料（介護）	5年後の費用（自立）	5年後の費用（介護）	10年後の費用
公的施設	0円	10万円	15万円	600万円	900万円	1,500万円
民間施設	574万円	23万円	30万円	13,80万円	18,00万円	31,80万円[優槙18]

自立5年＋介護5年パターンは、健康状態が変化する可能性がある方に最適です。

とはいえ、高齢者の場合、病気や体調不良で要介護状態になることは珍しくありません。

要介護状態になる可能性も踏まえて入居費用をシミュレーションしておくのも大切です。

シミュレーション③：介護で10年間を過ごす

介護（10年間）のシミュレーション

施設の種類	入居一時金	月額利用料	5年後の費用	10年後の費用
公的施設	0円	15万円	900万円	1,800万円
民間施設	574万円	30万円	18,00万円	36,00万円

将来、介護が必要な状態になり、老人ホームで長期間（約10年）生活することになるケースも想定しておきましょう。

老人ホームに要介護状態で10年間入居した場合の総費用は、公的施設で約1,200〜1,800万円、民間施設で約27,60〜36,00万円が目安です。

5章：在宅サービスを利用すれば老人ホームより安く済む

5章では、老人ホームに入居しない生活スタイルも紹介します。

老人ホームへ今すぐ入居する必要がない場合、介護サービスを活用しながら自宅をメインに安心して生活する方法も検討してみましょう。

訪問や通所の介護サービスを利用する

介護サービスを利用しながら自宅で生活すれば、老人ホームに比べて費用を抑えられる選択肢です。

要介護度が低い方や自立度が高い方は、自宅で過ごすことで心理的な安心感も得られる点がメリットでしょう。

訪問介護やデイサービスなどの介護保険の在宅サービスを組み合わせれば、サービスの負担金額は月額3〜5万円程度に抑えられます。

ショートステイを利用する

短期間だけ施設に入居するショートステイは、本格的に老人ホームに入居する前の「お試し」としても有効です。

また、家族が一時的に介護から離れるための選択肢としても利用できます。

費用は1泊あたり5,000円〜10,000円程度と比較的安価であり、負担を軽減しつつ質の高い介護サービスを受けられます。

小規模多機能型居宅介護を利用する

小規模多機能型居宅介護とは、在宅介護者に向けた複合的なサービスです。1つの事業所で、以下のサービスを提供します

利用者の状況に応じてサービス内容を柔軟に組み合わせて、在宅生活を支援します。

柔軟な対応が可能であり、自宅での生活と施設利用を組み合わせて費用負担が抑えられます。

ただし、他のサービスに比べて利用人数が制限されているため、希望するサービスを受けられない可能性が高いです。

以上、老人ホームに入居しないで、在宅介護サービスを活用する方法を紹介しました。

6章：老人ホーム入居に関してよくある質問

年金だけで老人ホームの費用をまかなえますか？

年金収入だけでは不足する場合が多く、貯蓄や家族の支援が必要になる場合があります。費用が不足している場合、公的施設を活用したり、老人ホーム以外の生活スタイルを選択したりしましょう。

家族間で意見が対立した場合どうすれば良いですか？

感情ではなくデータに基づいて話し合うことがオススメです。専門家を交えて議論することで、中立的な意見を得ることも有効です。

老人ホーム選びで失敗しないためのコツはありますか？

事前に複数施設を比較し、契約内容や料金体系を細かく確認することが重要です。また、ケアマネージャーなど専門家の助言を受けると安心です。

ヒデ

お金の問題はトラブルの原因になりやすいので、事前にしっかりと相談しておきましょう。

まとめ：老人ホームの費用が高い場合、正しい対策と納得感が重要

この記事では、老人ホームの費用が高い場合にとるべき対策やポイントを紹介しました。

結論、老人ホームの入居費用が高い場合に重要なことは、安く抑えるための「6つの対策」と費用に納得するための「5つのポイント」です。

以上、「6つの対策」と「5つのポイント」を踏まえて、あなたの家庭にピッタリ合った老人ホームを選んでください。

特に、５つ目のポイントである「専門家のアドバイス」は老人ホームの費用を検討するうえで参考になるので、なるべく早い段階で相談することをオススメします。