あなたは、
- 認知症の治療法について詳しく知りたい
- 認知症の進行を遅らせる方法があるなら試してみたい
- 母親の物忘れが気になり、どこに相談すればいいか分からない
などとお考えではありませんか?
結論から言うと、認知症を完治する方法は現時点で確立されていませんが、適切なアプローチで症状の進行を遅らせることは可能です。
この記事では、認知症治療の基本的な考え方と具体的な治療アプローチ、医療機関への相談方法を紹介します。
具的的には、
- 1章で認知症の治療で知っておくべき3つの基本、
- 2章で認知症の進行を遅らせる3つの治療法、
- 3章で認知症の治療を始める3ステップ、
- 4章で認知症を疑ったらまず何科を受診すべきか、
について説明します。
ヤノヒデ認知症の治療は早期の適切な対応が改善のカギです。まずはこの記事を読んで、今のあなたにとって必要な行動をとるようにしましょう。
1章:認知症は治療できる?知っておくべき3つの基本


認知症治療の基本は以下の3点です。
- 基本①:認知症を完全に治す方法は現在確立されていない
- 基本②:適切な治療により症状進行を遅らせることは可能
- 基本③:一部の認知症は治療により改善するケースがある
それぞれ説明します。
基本①:認知症を完全に治す方法は現在確立されていない
- アルツハイマー型認知症
- 脳血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
現在、認知症を完全に治す方法は確立されていません。
しかし、早期に適切な治療を開始すれば、認知症の進行を遅らせ日常生活の質を保てます。医師と相談し、利用できる治療法を組み合わせましょう。
基本②:適切な治療により症状進行を遅らせることは可能
認知症の進行を遅らせる方法は複数存在し、実際に多くの患者で効果が確認されています。
- 薬物療法:アリセプト、メマリーなどの抗認知症薬
- 非薬物療法:運動療法、音楽療法、回想法など
- 生活習慣の改善:規則正しい生活、社会参加の維持
特に、症状が軽い段階で治療を始めれば進行を遅らせる可能性が高いです。
基本③:一部の認知症は治療により改善するケースがある
原因によっては、治療により症状が改善するケースもあります。
- 正常圧水頭症:脳脊髄液の循環障害により認知機能が低下
- 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンの不足による認知機能低下
- ビタミンB12欠乏症:栄養不足が原因の認知機能低下
正常圧水頭症の場合、脳外科手術により髄液の流れを改善し、認知機能が回復する場合があります。
認知症の種類を正確に診断するには、精密な検査と専門医の診察が必要です。
2章:認知症の進行を遅らせる3つの治療法


- 【薬物療法】症状に合わせて治療薬を内服する
- 【非薬物療法】運動や脳トレで身体と心を動かす
- 【外科手術】水頭症などの認知症には効果あり
それぞれ説明します。
【薬物療法】症状に合わせて治療薬を内服する
薬物療法により認知症の進行を遅らせることが可能です。薬剤が脳内の神経伝達物質の働きを改善し、記憶力や判断力の低下を防ぐからです。
具体的には以下の薬剤が使用されます。
- ドネペジル(アリセプト)
- メマンチン(メマリー)
- ガランタミン(レミニール)
- リバスチグミン(イクセロン・リバスタッチ)
これらの薬剤により、生活の質を保ちながら症状の進行を遅らせることができます。
認知症に伴う不安、興奮、睡眠障害などの周辺症状・BPSDには、抗不安薬や睡眠薬が使用される場合があります。
薬物療法の効果や副作用については、医師や薬剤師の経過観察が必要です。
2023年9月、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ(レケンビ)」が厚生労働省に承認されました。これは軽度認知障害や軽度認知症の進行を抑制する薬で、脳内の原因物質アミロイドβを減らします。詳しい使用や副作用については医師や薬剤師にご相談ください。
【非薬物療法】運動や脳トレで身体と心を動かす
非薬物療法は薬物療法と併用することで、より高い治療効果が期待できます。副作用リスクが少なく、継続しやすいため長期的な治療に適しています。
具体的には以下の療法があります。
- 運動療法:週3回程度の有酸素運動に認知機能低下を遅らせる
- 音楽療法:音楽に触れることでBPSD(周辺症状)の改善を図る
- 認知機能訓練:計算やパズルなどの脳トレで認知症予防を促す
これらの非薬物療法には専門スタッフの関わりが必要ですが、家庭内でも認知症ケアに取り組めます。



一緒に散歩や料理をしたり、昔のアルバムを見ながら話したりするだけでも試す価値はあるでしょう。
【外科手術】水頭症などの認知症には効果あり
正常圧水頭症などの認知症については、外科手術により症状の改善が期待できます。
- 正常圧水頭症:脳脊髄液の循環が悪くなる
- 慢性硬膜下血腫:頭部外傷後に硬膜下腔に血液が溜まる疾患
- 脳腫瘍:腫瘍によって脳が圧迫される
いずれも脳が物理的に圧迫され、認知症・歩行困難・尿失禁などの症状が現れます。脳脊髄液を抜いて脳圧を下げるシャント手術により症状改善が可能です。
3章:認知症治療は何から始めればいいの?【3ステップ】


- ステップ①:まずは医療機関を受診し医師と相談する
- ステップ②:検査を受けて認知症の確定診断を受ける
- ステップ③:個別の症状に合わせて治療計画を立てる
この章では、認知症治療の進め方を3ステップで紹介します。
ステップ①:まずは医療機関を受診し医師と相談する
認知症治療の第一歩は医師の問診です。気になる症状を伝えると必要に応じて検査や専門機関への紹介が行われます。
- 大切な約束を忘れるようになった
- 慣れた道なのに迷うようになった
- 同じことを何度も聞くようになった
- 料理の手順を忘れるようになった
このような症状が続く場合は早めに受診しましょう。
- 症状がいつ頃から始まったか
- 生活で具体的に困っていること
- 現在飲んでいる薬の種類
症状をスムーズに説明できるよう気になる症状はメモを取り、一人で悩まず医療機関に相談しましょう。
ステップ②:検査を受けて認知症の確定診断を受ける
認知症の確定診断には専門的な検査と医師の判断が必要です。
- 認知機能検査(MMSE、HDS-Rなど)
- 血液検査(甲状腺機能、ビタミンB12など)
- 画像検査(CT、MRI、SPECTなど)
これらの検査により認知症の種類と進行状況が分かります。
ステップ③:個別の症状に合わせて治療計画を立てる
評価結果と確定診断を踏まえ、本人の状態に適した治療計画を立案します。
- 薬物療法の必要性と適応
- 非薬物療法の選択と実施方法
- 介護保険サービスの活用
- 家族への支援体制
認知症の治療は医師だけでなく、看護師、薬剤師、リハビリ専門職、ソーシャルワーカーやケアマネージャーなどの多職種チームで進めることが一般的です。
在宅生活の場合、家族支援も必要不可欠です。
4章:認知症かもしれない…何科を受診すればいいの?


認知症が疑われる場合の相談先は以下のとおりです。
- かかりつけの医師
- 専門外来(物忘れ外来、認知症外来)
- 総合病院の神経内科、精神科
かかりつけの医師は普段から本人の健康状態を把握しているため、必要に応じて専門医への紹介もスムーズです。
専門外来にはそれぞれ特徴があり、物忘れ外来は早期発見・診断に特化し、認知症外来は認知症全般の診断・治療を担当します。メモリークリニックは記憶障害の専門外来です。
総合病院の神経内科・精神科は複雑な症状や鑑別診断が必要な場合に適しており、専門的な検査設備も充実しています。
かかりつけの医師がいない場合、物忘れ外来などの専門外来に直接受診すると良いでしょう。
【最初が肝心】認知症治療に悩んだら医師に相談しよう!


認知症を完全に治すのは困難ですが、効果的な治療を選択すれば症状の進行を遅らせることは可能です。
- 進行を遅らせる治療法は存在する
- 薬物療法、非薬物療法を組み合わせる
- 早期の診断と治療のために受診する
認知症の治療には薬物療法(ドネペジル、メマンチンなど)、非薬物療法(運動療法、認知刺激療法など)、外科手術があります。
認知症の治療は早期の適切な対応が改善のカギです。認知症かも?と不安な症状が見られたら、一人で悩まず医師に相談しましょう。
参考文献
- 日本神経学会 認知症疾患診療ガイドライン2017
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo_2017.html - 厚生労働省 認知症施策推進大綱
https://www.mhlw.go.jp/content/000522832.pdf - 厚生労働省 かかりつけ医認知症対応力向上研修資料
かかりつけ医認知症対応力向上研修



