あなたは、
- 介護で毎日ツラいけど誰にも相談できない
- 自分が「介護うつ」かどうかを知りたい
- 「介護うつ」を改善して快適に過ごしたい
と感じていませんか?
先が見えない介護を続けていると、気づかないうちに心と体に大きな負担がかかりますよね?
家族の世話を1人で抱え込む責任感の強い方ほど、知らず知らずのうちに限界を超えて「介護うつ」に陥りやすいです。
結論から言えば、「介護うつ」は早期発見と適切な対応で回復できます。
なぜなら、セルフチェックで「介護うつ」の可能性があると感じた場合、専門医に相談すれば薬物療法やカウンセリングなどの効果的な治療を受けられるからです。
また、家族への協力依頼や介護サービスの活用、セルフケアの実践なども「介護うつ」の負担軽減に効果的です。
この記事を読めば、あなたが「介護うつ」の状態にあるかどうかをチェックでき、もし当てはまる場合は回復するための具体的な方法が分かります。
具的的には、
- 1章で「介護うつ」のセルフチェック方法、
- 2章で効果的な治療法、
- 3章で家族に上手に助けを求める方法、
- 4章で便利な介護サービスの活用方法、
- 5章で心と体の元気を取り戻すセルフケア、
- 6章で仕事と介護を両立させるテクニック、
について説明します。
この記事を読んで、ツラい「介護うつ」から抜け出し、あなた自身の心の余裕を取り戻しましょう。
1章:【チェックリスト】あなたは「介護うつ」かも?

毎日の介護で心身ともに疲れている中「最近調子が悪いな」と感じることはありませんか?
「介護うつ」は気づかないうちに進行することが多いため、早期発見と適切な治療が重要です。
そこでこの章では、「介護うつ」かどうかを確認するための5つのチェック項目を紹介します。
- 体の変化:夜眠れない・いつも疲れている状態か?
- 心の変化:急にイライラしたり泣いたりしてないか?
- 興味関心:好きだったことへの興味が薄れていないか?
- 人間関係:人との付き合いを避けるようになっていないか?
- 介護負担:「これ以上の介護は限界」と思うことが多くないか?
該当する項目が多く症状が2週間以上続く場合、「介護うつ」の可能性が高いです。[1]
各項目を説明します。
介護うつとは、家族の介護を原因として発症するうつ病のことです。食欲不振、睡眠障害、気分の落ち込みなどの症状が2週間以上続く場合は要注意。原因が明確なため改善や回避が期待できるうつ病とされています。一人で抱え込まず、早めに専門医に相談することが大切です。
参考:厚生労働省「簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)」
体の変化:夜眠れない・いつも疲れている状態か?
「介護うつ」の初期症状として最も現れやすいのが、睡眠と疲労に関する変化です。
夜中に何度も目が覚めたり、朝早く起きてしまって十分な睡眠が取れなくなったりしていませんか。
- 疲れているのに眠れない
- 眠っても疲れが取れない
- 以前できていた家事に時間がかかる
など状態が続いている場合は注意が必要です。
常に体がだるく、疲労感が抜けない状態も特徴的な症状です。体を動かすのが億劫に感じるといった変化も見逃せません。
心の変化:急にイライラしたり泣いたりしてないか?
感情のコントロールが難しくなるのも、「介護うつ」の重要なサインです。
些細なことでイライラしたり、理由もなく急に涙が出やすくなったりしていませんか。
- 理由がないのに気持ちが落ち着かない
- 将来への不安が頭から離れない
- 被介護者の発言にイライラする
といった状態が続く場合、心の負担が蓄積されている可能性があります。
介護を受ける方の言動に対して以前より強く反応してしまう場合は要注意です。
興味関心:好きだったことへの興味が薄れていないか?
今まで楽しんでいた趣味や活動への興味が薄れるのも、「介護うつ」の典型的な症状です。
- 以前は楽しみしていたテレビ番組を見る気になれない
- 読書や手芸などの趣味に集中できなくなった
- 友人との会話も楽しく感じられない
といった変化はありませんか。
何をしても楽しいと感じられない、喜びを感じる力が低下している状態は、うつ症状の中でも特に注意すべきサインです。
人間関係:人との付き合いを避けるようになっていないか
社会的な関係から距離を置きたくなるのも、「介護うつ」でよく見られる症状です。
- 友人からの誘いを断ることが増えた
- 近所の人との会話を避けるようになった
- 家族以外の人と会うのが面倒に感じる
というように、人付き合いが億劫に感じる機会が増えていませんか。
人と会うのがストレスに感じられ、これまで参加していた地域の活動やサークルなどから足が遠のいている場合も要注意です。
「介護うつ」になると他人とのコミュニケーションの機会を避ける傾向が強くなるからです。
介護負担:「これ以上は無理…!」と思うことが多くないか?
介護に対する負担感が強くなるのは、「介護うつ」の直接的なサインです。
- 「いつまで続くのだろう」
- 「自分1人ではもう限界…」
- 「これ以上は無理だ」
と感じるケースが増えていませんか。
介護の終わりが見えない不安や、自分1人で抱え込んでいる重圧感が強くなっている場合は、心の状態が危険信号を出している可能性があります。
以上、あなたが「介護うつ」かもしれないと感じたら…
- 体の変化:夜眠れない・いつも疲れている状態か?
- 心の変化:急にイライラしたり泣いたりしてないか?
- 興味関心:好きだったことへの興味が薄れていないか?
- 人間関係:人との付き合いを避けるようになっていないか?
- 介護負担:「これ以上の介護は限界」と思うことが多くないか?
を確認してみましょう。
チェック項目の状態が2週間以上続いている場合は、「介護うつ」の可能性が高いです。
次の章では、「介護うつ」の具体的な回復方法を説明します。
2章:「介護うつ」だと感じたら専門医に相談するのが大切

「介護うつ」は正しいアプローチで改善が期待できます。ひとりで悩まずに適切なサポートを受けましょう。
この章では、「介護うつ」から回復するための効果的な治療の流れを紹介します。[2]
- 専門医に相談する
- 精神科
- 心療内科
- 治療方針を決める
- 薬の処方を受ける
- カウンセリングを受ける
それぞれ説明します。
相談先は「精神科」または「心療内科」
「介護うつ」の症状を感じた場合、まずは精神科または心療内科への受診をオススメします。
- 精神科
- 心療内科
精神科はうつ病などの精神的な症状に特化した専門科です。
心療内科は心身の不調を総合的に診察する診療科です。
ストレスが原因の身体症状も含めて治療するので、身体症状が強い場合は心療内科が適しているでしょう。
また、「メンタルクリニック」として親しみやすい名称を使用している医療機関も増えています。
まずは、病院やクリニックで「介護うつ」の症状について相談してみましょう。
考えられる治療方針は主に2種類
医師の診断により「介護うつ」と判断された場合、治療方針は主に2種類です。
- うつ症状を改善する薬を処方してもらう
- 臨床心理士のカウンセリングを受ける
それぞれ説明します。
①うつ症状を改善する薬を処方してもらう
「介護うつ」の診断を受けた場合、抗うつ薬による治療が始まる場合があります。
抗うつ薬は脳内の神経伝達物質のバランスを整え、気分の落ち込みや不安症状を和らげる効果があります。[3]
現在よく使用されるのは、以下の内服薬です。
- SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬
- SNRI:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
SSRIは、脳内のセロトニンという物質を増やして気分を安定させる薬です。
SNRIは、セロトニンに加えてノルアドレナリンという物質も増やし、意欲の向上にも効果があります。
どちらも従来の抗うつ薬よりも副作用が少なく、現在の治療で広く使われています。
薬の効果が現れるまでには2〜3週間程度の時間が必要です。
すぐに薬の効果を感じられなくても、医師・薬剤師の指示に従って経過観察しましょう。
②臨床心理士のカウンセリングを受ける
カウンセリングも「介護うつ」の回復に効果的な治療法です。
専門家との対話を通じて、下記のような悩みを軽減できるでしょう。
- 感情が整理できない
- 考え方が偏りがち
- 問題解決が難しい
感情が整理できない
カウンセリングを通して、介護に対する複雑な感情や罪悪感を言葉にすれば、自分の気持ちを客観視できます。
気持ちを整理すれば、自分を責めずに現実を受け入れられやすくなるでしょう。
考え方が偏りがち
「介護うつ」状態の場合、「完璧にしなければ」という極端な思考パターンになりやすいです。
対話を通じて偏った考え方を見直して、より現実的な考え方を身につけましょう。
問題解決が難しい
介護で直面する具体的な困りごとを専門家と一緒に整理すれば、1人では思いつかない解決策が見つかるでしょう。
カウンセリングで現状を客観的に見つめ直し、「介護うつ」の悩みを少しずつ軽くしていきましょう。
3章:家族に上手く助けを求める3つのコツ

介護を1人で抱え込まず、「介護うつ」の予防と回復に家族の協力は欠かせません。
この章では、家族に介護の協力を得るための3つのコツを紹介します。
- 家族に介護の負担を伝える
- 家族会議で役割を分担する
- 頼みやすい関係性を作る
それぞれ説明します。
家族に介護の負担を伝える
家族に介護の大変さを理解してもらうには、感情的にならず客観的で具体的な表現を使うと効果的です。
「疲れた」「しんどい」といった抽象的な表現ではなく、
- 「夜中に3回起こされて睡眠不足が続いている」
- 「腰痛で歩くのも辛くなってきた」
など、具体的な状況を伝えましょう。
介護にかかっている時間や頻度を数字で示すと、負担の大きさを理解してもらいやすくなります。
家族を責めるような言い方は避け「一緒に考えてもらえると助かる」といった協力を求める姿勢がベターです。
家族会議で役割を分担する
家族全体で介護について話し合う機会を設けて、負担を分散し、みんなで支え合う体制を作りましょう。
家族会議を開く際は、事前に話し合いたい内容を整理し、感情論ではなく建設的な議論ができるよう準備します。
- 現在の介護状況
- 今後の見通し
- それぞれの役割
を明確にして話し合います。
役割分担では、それぞれの生活状況や能力を考慮し、無理のない範囲で協力してもらうのが重要です。
直接的な介護だけでなく、買い物や通院の付き添い、経済的な支援など、様々な形での役割を共有しましょう。
頼みやすい関係性を作る
真面目な人ほど家族に対してもお願いできない場合があります。
「助けて」と素直に言える関係性を築くのは、介護を継続するために重要です。
家族にとって、あなたが1人で抱え込んで倒れてしまうより、早めに助けを求めてもらった方がずっと良いはずです。
小さなお願いから助けを求める習慣をつければ、大きな問題が生じた時にも自然に相談できるようになるでしょう。
4章:心と時間の余裕を作る便利な介護サービス3選

- 一時的に預ける:通所・ショートステイを利用する
- 自宅でサポート:訪問介護で自由な時間を作る
- 無料で相談:地域包括支援センターに相談する
この章では、介護負担の軽減につながる3つの介護サービスをご紹介します。[4][5]
「家族で面倒を見るべき」という考えにとらわれず、プロのサービスを利用して、より質の高い介護と心の余裕を両立できます。
介護の負担を減らして、自分の時間を確保するためには介護保険サービスを上手に活用しましょう。
一時的に預ける:通所・ショートステイを利用する
通所サービスとショートステイは、要介護者の生活を支える一方、介護者にとっては貴重な休息時間を提供してくれます。
サービス内容は以下のとおりです。
- 日中の数時間、要介護者を預かってくれる
- 送迎付きで週2〜3回程度利用できる
- 介護者の定期的な自分時間を確保できる
- 数日から数週間、要介護者を施設に泊まりで預かってくれる
- 介護者の体調不良時や外せない用事がある時に便利
- 介護者のまとまった休息時間を得られる
これらの介護サービスを上手に活用し、無理のない介護を続けましょう。
自宅でサポート:訪問介護で自由な時間を作る
訪問介護サービスを利用すれば、自宅にいながら介護の負担を軽減して自分の時間を作れます。
- 身体介護:入浴、排泄、食事の介助など· 生活援助:掃除、洗濯、買い物など
特に入浴介助は技術と体力が必要なので、介護のプロに任せれば大幅な負担軽減が期待できます。
短時間でも1人の時間を持てば、気分転換や心のリセットができます。
担当のケアマネジャーと相談し、生活パターンに合わせた利用計画を立てましょう。
無料で相談:地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターとは、各市町村が設置している高齢者の総合相談窓口です。
- 介護の悩み:介護方法や負担軽減の相談
- 経済的な不安:費用や制度利用について
- 家族関係の問題:介護による家族間のトラブル
- 介護保険サービス:利用方法や手続きの説明
- 他機関への紹介:必要に応じて専門機関を紹介
介護保険の申請からサービス利用まで、介護に関するあらゆる相談を無料で受け付けています。
利用するメリット
- 専門職員の介護アドバイス
- 介護状況に応じたサービス提案
- 定期的なフォローアップ
些細な内容でも1人人で悩まず、まずは電話で気軽に相談してみましょう。
5章:心と体の元気を取り戻す3つのセルフケア

「介護うつ」の予防と改善には、専門的な治療と並行して日常生活でできるセルフケアも重要な役割を果たします。[6]
この章では、忙しい介護生活の中でも、ひとりで実践できる、心と体の健康を保つ3つの方法を紹介します。
- 深呼吸+五感の刺激
- 質の良い睡眠習慣
- 仲間との交流
それぞれ説明します。
5-1:深呼吸+五感の刺激
短時間でも意識的に気分転換すれば、ストレスを減らせます。
効果的な気分転換の方法として深呼吸法と五感を使ったリラックス法を紹介します。
深呼吸法はシンプルかつ効果的です。
以下の手順で行いましょう。
- ゆっくりと鼻から息を吸う(4秒間)
- 息を止める(4秒間)
- ゆっくりと口から息を吐く(8秒間)
- 1〜3を5回くり返す
ポイントはしっかりと息を吐き切ることです。
正しい呼吸により自律神経が整い、緊張やイライラが和らぎます。
深呼吸は道具不要でいつでもどこでも実践できるので介護の忙しい合間でも心が落ち着くでしょう。
- 視覚:窓から空を「眺める」
- 聴覚:好きな音楽を「聴く」
- 味覚:温かい飲み物を「味わう」
- 嗅覚:アロマの「香り」を楽しむ
- 触覚:手のひらを「マッサージ」する
介護疲れで緊張した心身を、見る、聴く、味わう、香る、触れるといった五感への優しい刺激でほぐしていきましょう。
これらの方法も、特別な道具は不要で介護の合間にもさっと実践できるので心身のリラックス効果が期待できます。
質の良い睡眠習慣
良質な睡眠は「介護うつ」の改善に欠かせません。
寝る前の習慣を整えるだけで、睡眠の質を向上できます。
睡眠改善の習慣は以下の3つです。
- デジタルデトックス
- 入浴のタイミング調整
- 寝室環境の最適化
それぞれ説明します。
①デジタルデトックス
就寝1時間前からスマートフォンやテレビの画面を見ないようにしましょう。
ブルーライトは睡眠ホルモンの分泌を妨げるため、照明を暗めにして本を読んだり軽くストレッチをしたりして過ごすのがオススメです。
②入浴のタイミング調整
入浴は就寝2時間前までに済ませ、体温が自然に下がるタイミングで眠りにつけるよう調整しましょう。
③寝室環境の最適化
- 室温:18〜22度
- 湿度:50〜60%
このような室温環境に整えると、より良い睡眠が期待できます。
仲間との交流
自分と同じような介護体験を持つ人との交流は、心の支えとなり、「介護うつ」の予防と改善に良い影響を与えます。
介護体験者が集う交流の場とメリットは以下のとおりです。
- 地域の介護者の会
- 自治体が開催する介護教室
- オンラインサポートグループ
具体的な交流場所は、市町村の窓口、地域包括支援センターに確認すると良いでしょう。
交流のメリット
- 体験談を共有して「自分だけではない」と安心感が得られる
- 他人の工夫や対処法か介護のアイデアを得られる
- 自宅から参加できるオンライン交流会も増えている
これらのセルフケアを日常に取り入れ、介護ストレスを減らして心身の健康を維持していきましょう。
6章:仕事と介護を無理なく両立させる3つの方法

- 介護休業制度を活用する
- 在宅・時短勤務で働く
- 職場の理解を得る
働きながら介護を無理なく続ける場合、適切な制度の活用と職場との連携が必要です。
この章では、介護離職を避け、経済的な安定を保ちながら介護を続けるための方法を紹介します。
介護休業制度を活用する:知っておくべき介護休業の取り方
- 取得期間:通算93日まで
- 分割利用:3回まで分割して利用可能
- 活用場面:まとまった期間介護に専念したい時や、介護体制を整えるための期間として活用
介護休業制度は、2週間以上にわたって常時介護を必要とする家族がいる場合に取得できる休業制度です[7]。
休業中は雇用保険から介護休業給付金が支給され、休業開始前の賃金の67%相当額を受け取れます。
申請に必要なもの
- 医師の意見書
- 介護保険証の写し
- その他会社指定の書類
介護休業制度の利用を検討している場合は、早めに人事部や総務部に相談し、必要な手続きについて確認しましょう。
在宅・時短勤務で働く
介護休業の取得が難しい場合、在宅勤務や時短勤務など働き方を変えるのもひとつの方法です。
勤務形態の変更を申し出る場合は、ポイントを絞って交渉しましょう。
- 制度について相談する
- 具体的状況を説明する
- 配慮する姿勢を示す
ポイントを絞った交渉方法は以下のとおりです。
制度について相談する
義母の介護が必要になり、デイサービスの送迎時間(9時と16時)に自宅にいる必要があるため、会社の介護支援制度について教えていただけませんでしょうか
具体的状況を説明する
在宅勤務中も連絡は常に取れる状態を保ち、急ぎの案件があれば迅速に対応いたします。業務に支障をきたさないよう配慮しながら、介護と仕事の両立を図りたいと考えております。
配慮する姿勢を示す
制度の詳細や申請方法について、お時間のある時にご相談させていただければと思います。
事前に制度の確認を済ませて代替案を準備しておくと、時短勤務への理解も得やすいです。
ただし、自己完結した勤務スケジュールを提案するのではなく、相談ベースで上司の意見を取り入れていくのが良いでしょう。
職場の理解を得る:上司や同僚に上手に伝えるコツ
介護と仕事の両立には「休業制度の活用」や「働き方の変更」が有効です。
ただし、職場の理解も同じくらい重要です。
多くの方が「職場に迷惑をかけるのではないか…」と心配されますが、あなたの現状を適切に伝えれば協力してくれるでしょう。
ここでは、上司や同僚に介護の現状を効果的に伝えるコツを紹介します。
- 現状の共有:介護の状況を正直に伝える
- 見通しの説明:今後の見通しや必要な配慮について
- 具体的な要望:突発的な休みが出る可能性、定時帰宅を希望したいなどの必要な配慮
相手を尊重しながらも、自分の状況と要望を率直に伝えましょう。
- 事前の情報共有:介護状況と業務への影響を率直に伝える
- 負担軽減の工夫:同僚の業務負担を最小限に抑える具体策を提案する
- 感謝と貢献意欲:協力への感謝を示し、復帰後の貢献意欲を伝える
誠実に状況を伝え、お互いに配慮し合える協力関係を築きましょう。
もちろん、日頃から仕事に真摯に取り組む姿勢が何より大切です。
その上で、効果的なコミュニケーションを心がけると、より働きやすい環境を作れるでしょう。
まとめ:「介護うつ」から抜け出し、心の余裕を取り戻そう

結論として、「介護うつ」は適切な対策により予防・改善が見込めます。
この記事で紹介した「介護うつ」の6つのチェック項目を確認し、効果的な治療方法を試してみましょう。
- 体の変化:夜眠れない・いつも疲れている状態か?
- 心の変化:急にイライラしたり泣いたりしてないか?
- 興味関心:好きだったことへの興味が薄れていないか?
- 人間関係:人との付き合いを避けるようになっていないか?
- 介護負担:「これ以上の介護は限界」と思うことが多くないか?
まずは、自分の状態を客観的に把握しましょう。
該当項目が多く2週間以上症状が続く場合は「介護うつ」の可能性が高いです。
自分が「介護うつ」だと感じたら、以下の治療方法がオススメです。
- 専門医に相談する
- 精神科
- 心療内科
- 治療方針を決める
- 薬の処方を受ける
- カウンセリングを受ける
上記の治療方法を適切に組み合わせると「介護うつ」の症状改善と回復への道筋が見えてきます。
心療内科や精神科では、一人ひとりの状況に応じて薬物療法やカウンセリングなどの最適な治療プランを提案してくれます。
介護では1人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。家族への助けの求め方、介護サービスの利用、セルフケア、仕事との両立が重要です。
介護は長期戦のため完璧を求めず、利用できる制度を活用し、あなた自身の健康を最優先に考えてください。
長引く介護で心身の不調を感じたら、まずは専門医に相談してみましょう。
参考文献
[1]厚生労働省「簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/02.pdf
[2]MSDマニュアル家庭版「うつ病」
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/10-心の健康問題/気分障害/うつ病
[3]MSDマニュアル家庭版「うつ病の治療薬」https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/10-心の健康問題/気分症/うつ病の治療薬
[4]厚生労働省「介護サービス情報公表システム_公表されている介護サービスについて」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/
[5]厚生労働省「介護サービス情報公表システム_地域包括支援センター」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish_seikatsu/
[6]日本うつ病学会「うつ病治療ガイドライン
https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/guideline_kango.pdf
[7]厚生労働省「介護休業制度特設サイト」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/closed/index.html