あなたは、
- 介護保険外サービスってどんなことができるの?
- 介護保険外サービスの料金って1時間いくら?
- 仕事と介護を両立するために保険外サービスも使うべき?
などとお考えではありませんか?
介護保険制度は複雑で「何ができて何ができないのか」分かりにくいですよね。
結論から言うと、介護保険外サービスとは、国が定める介護保険制度の対象外の介護サービスのことをさします。
具体的には、配食・見守り、ペットの世話、庭の手入れ、旅行同行、墓参り、話し相手など。
費用は全額自己負担で1時間あたり2,000円から4,000円程度が相場で、介護保険と組み合わせれば仕事と介護の両立がしやすくなるでしょう。
この記事では、
- 介護保険外サービスの基本
- 具体例と費用相場
- 介護保険との組み合わせ
- 費用負担を抑えるコツ
- 事業所の選び方と注意点
について説明します。
ヤノヒデ仕事と介護の両立に悩むあなたに、きっと役立つヒントが見つかるでしょう。
1章 介護保険外サービスとは?


介護保険外サービスとは、介護保険給付の対象外で事業者が独自に提供するサービスです。
費用は全額自己負担ですが、要介護認定の有無に関わらず誰でも利用できます。
介護保険サービスとの主な違いは以下のとおり。
| 項目 | 介護保険外サービス | 介護保険サービス |
|---|---|---|
| 対象者 | 誰でも利用可能 | 要支援・要介護認定者のみ |
| サービス内容 | 希望に応じて自由選択 | 法令で規定された支援 |
| 費用負担 | 全額自己負担 | 1~3割負担 |
介護保険外サービスは柔軟性が高く、支給限度額を超えた利用も可能です。介護保険サービスでは本人や家族の希望が実現困難な場合、選択肢として有効でしょう。



次の章では、介護保険外サービスの具体例を費用相場と合わせて説明します。
2章 介護保険外サービス7つの具体例と費用相場を解説


介護保険外サービスには、さまざまな種類があり、費用相場も異なります。
実際に、介護保険外サービスを提供している20の会社・団体のサービス内容を参考に料金相場を調べました。
その結果は以下のとおりです。
| サービス内容 | 料金相場(1時間あたり・税込) |
|---|---|
| 家事代行サービス | 2,000円~5,500円(1時間あたり) |
| 外出支援サービス | 3,000円~6,000円(1時間あたり) |
| 旅行・レジャー同行サービス | 日額20,000円~40,000円(8時間以内) |
| 見守り・安否確認サービス | 月額1,000~3,000円程度 (緊急通報型・カメラ型・訪問型など) |
| 訪問の理美容サポート | 4,000円~7,000円 (カット) 5,000円~8,000円 (シャンプー込み) |
| ペットの世話・庭の手入れ | 1,800円~3,000円(1時間あたり) |
| 認知症対応の専門サービス | 月額20,000円前後(時間単位対応もあり) |
参考:https://csba.work|一般社団法人介護関連サービス事業協会



それぞれ詳しく見ていきます。
家事代行サービス | 掃除・洗濯・調理など
家事代行サービスは、掃除・洗濯・調理・買い物などの日常的な家事全般をサポートします。
介護保険の生活援助でも対応できますが、同居家族のための家事や大掃除、窓拭きなど日常的な範囲を超える内容は介護保険外サービスでの対応が必要です。
定期契約により時間単価が割安になる事業者もあります。
外出支援サービス | 通院・買い物同行など
外出支援サービスは、通院や買い物時の付き添いや介助を行うもので、移動介助、受付手続きの支援、商品選びや支払いのサポートなどが含まれます。
要介護認定を受けている方が通院等で利用する介護タクシーの乗降介助は、介護保険の対象となり1割から3割負担で利用できます。
旅行・レジャー同行サービス
旅行やレジャー同行サービスは、外出支援サービスのひとつであり、より旅行の外出サポートに特化した内容です。
医療・介護の専門職が同行し、バリアフリー対応の宿泊施設や交通機関を手配します。
介護福祉士(国家資格)や旅行介助士(民間資格)などの資格を持つスタッフが事前に旅先を下見し、段差の有無や多機能トイレの場所を確認するため、身体機能に不安がある方でも利用しやすいでしょう。
見守り・安否確認サービス
見守り・安否確認サービスは、離れて暮らす高齢者の安全を確認するもの。
介護保険では訪問介護や訪問看護の利用中に見守りが行われますが、24時間365日の継続的な見守りサービスは介護保険の対象外です。
訪問の理美容サポート
訪問の理美容サービスは、外出困難な方の自宅で理髪や美容を提供します。
市区町村が実施する助成制度を利用できる場合もあるので、お住まいの市区町村の高齢福祉担当窓口にご確認ください。
ペットの世話・庭の手入れなど
生活支援サービスは、介護保険では対応できない生活周辺のサポートを提供するもので、庭の手入れ、ペットの世話、電球交換などが含まれます。
社会福祉協議会など公的機関の場合は1時間800円程度と安価ですが、民間企業に比べるとサービス内容に限りがあります。
認知症対応の専門サービス
認知症の方を対象とした介護保険外サービスも提供されています。
| 種類 | 介護保険サービス | 介護保険外サービス |
|---|---|---|
| 見守り・安否確認 | 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(1~3割負担) | GPS機器貸与、センサー型見守り(月額1,000~3,000円) |
| 宿泊サービス | 短期入所生活介護(1~3割負担) | お泊りデイ(1泊4,000~8,000円+食事代) |
| 交流・社会参加 | 通所介護、認知症対応型通所介護(1~3割負担) | 認知症カフェ(無料~数百円程度) |
これらのサービスは認知症の方に限定されたものではありませんが、認知症の方にとって特に有用です。



サービス利用時は、認知機能の状態を考慮し、本人が内容を理解できるよう丁寧に説明しましょう。
3章 【体験談】介護保険外サービスに利用登録するだけでも安心


介護保険外サービスは、介護保険では対応できない生活課題を解決できます。
最初から月額サービスの登録に抵抗がある場合は、まずは利用登録を行い「単発利用」から始めるのも良いでしょう。



実際に私がリハビリで担当していた利用者の活用事例を紹介します。
- 対象者: 80歳代女性要介護1(一人暮らしで週2回デイケアに通う)
- 利用メニュー: 家事代行サービス、スタッフ1名、1時間
- 内容: タンスや作業デスクなどの重い家具の移動
- 料金: 5,000円(税込)
- 結果: 家具の配置を変えたことで、歩行器を使った室内の移動がスムーズになり、生活動線が改善
高齢者にとって家具の配置は転倒リスクにも関わるため、このようなサービスへのニーズは高まっています。
介護保険でレンタルする介護ベッドの移動であれば、福祉用具事業所が搬入に合わせて対応してくれる場合もありますが、単純な「模様替え」のみでは介護保険サービスとして対応できません。
今回紹介した方のように、保険外サービスの事業所に利用登録しておけば、急な困りごとが発生した時にもすぐに依頼できるため、心強く安心です。
4章 介護保険外サービスを賢く使う3つのポイント


介護保険外サービスを効果的に活用するポイントは、以下の3つです。
- 介護保険サービスと組み合わせて利用する
- 本当に必要なサービスに予算を絞る
- 介護保険サービスを再調整する
それぞれ説明します。
介護保険サービスと組み合わせて利用する
介護保険サービスと介護保険外サービスは、組み合わせて利用できます。
厚生労働省は2018年9月の通知で、この組み合わせ利用のルールを明確化しました。例えば、介護保険における訪問介護の提供前後や提供時間の合間に、介護保険外サービスが利用できます。
ただし、本人分と家族分の料理を「同時に」調理することなどは、原則として認められていません。
- 午前10時~11時(介護保険サービス): ヘルパーが訪問し、利用者本人の部屋の掃除と本人の昼食の調理を行う
- 午前11時~12時 (介護保険外サービス): 同じヘルパーが続けて、同居家族の部屋の掃除や家族分の食事調理を行う
要介護認定を受けている方は、介護保険内のサービスを調整することで、介護保険外サービスをより効果的に組み合わせられるでしょう。
本当に必要なサービスに予算を絞る
介護保険外サービスは多様なメニューがありますが、本人や家族の生活課題に合わせて、優先順位をつけて選ぶことで、より高い効果が得られます。
本当に必要なサービスに予算を集中させれば、保険内外を問わず、より充実した支援が実現できるでしょう。
どのサービスを優先すべきか迷った場合は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センター、または介護保険外サービスの事業所に直接相談してみてください。



相談すれば、専門家の視点からあなたに最適なサービスの組み合わせを提案してもらえるでしょう。
介護保険サービスを再調整する
介護保険外サービスをより効果的に活用するために、まず介護保険サービスの支給限度額を最大限に活用できているか確認しましょう。
ケアマネジャーに現在のケアプランを見直してもらい、介護保険内のサービスを適切に調整すれば、介護保険外サービスに充てられる予算や時間に余裕が生まれます。
介護保険サービスで基本的な生活支援を確保したうえで、さらに介護保険外サービスを利用します。これにより、趣味活動の同行や専門的な見守りなど、より個別性の高いサービスを追加すれば、本人らしい豊かな生活を実現できるでしょう。
5章 失敗しない事業所の選び方 | 3つのポイント+a


介護保険外サービスを安心して利用するには、信頼できる事業者選びが重要です。
とはいえ、数多くある事業者の中から何を基準に選べばよいのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
事業所を選ぶポイントは、以下の3つです。
- スタッフの資格と料金体系
- サービス範囲と提供条件
- 契約書の記載内容
また、+αの情報として「事業所選びの最新参考情報」も紹介するので参考にされてください。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スタッフの保有資格と料金体系を確認する
サービスの質は、スタッフの資格と経験に大きく左右されます。
介護福祉士や介護職員初任者研修修了者などの有資格者が対応しているか確認しましょう。
料金体系の明確さも重要なポイントです。
複数の事業者から見積もりを取って比較検討することで、相場感を把握できます。
サービス内容と対応範囲を確認する
契約前に、どこまでが基本サービスに含まれ、何が対応不可なのかを明確にしておきましょう。
サービス内容は必ず書面で受け取り、後から見返せるようにしておきましょう。
契約書の記載内容を確認する
トラブルを防ぐには、契約内容の確認と書面での合意が不可欠です。
契約書には、サービス内容、料金、提供時間、キャンセル規定、事故発生時の対応などが明記されているか確認します。個人情報の取り扱いや苦情対応窓口の連絡先も必ずチェックしてください。
契約書の記載内容を適切に判断するには、介護保険外サービスに関する基本的な知識や一般的な契約条件について、ある程度理解しておくことが大切です。
事業所選びに失敗しないためには、これら3つのポイントを押さえておくことが重要です。



事前に情報を集めておけば、契約書の不備や不利な条件にも気づきやすくなります。契約書の控えは必ず受け取り、不明な点は契約前に質問して納得してから契約しましょう。
+a: 事業所選びの最新参考情報


画像:ヘルスケアガイドライン等の在り方について(経済産業省)
2025年9月には経済産業省より「介護保険外サービス事業のガイドラインのあり方」について発表がありました。
また、一般社団法人介護関連サービス事業協会では、介護保険外サービス事業を展開する企業が業種を超えて集まり設立されています。



ガイドラインに沿った事業者や協会加盟事業者は、一定の品質が期待できるため、選定の参考になるでしょう。
まとめ


介護保険外サービスは、介護保険だけでは対応できない多様なニーズに応える柔軟なサービスです。
- 家事代行サービス (掃除・洗濯・調理など)
- 外出支援サービス (通院・買い物同行など)
- 旅行・レジャー同行サービス
- 見守り・安否確認サービス
- 訪問の理美容サポート
- ペットの世話・庭の手入れなど
- 認知症対応の専門サービス
1時間あたり2,000円~4,000円程度で、サービス内容によって異なります。自治体の助成制度や社会福祉協議会の安価なサービスを活用すれば、負担を軽減できる場合もあります。
スタッフの医療・介護福祉系の資格保有状況や料金体系、サービス範囲や提供条件、契約書の記載内容を確認しましょう。複数の事業所を比較検討し、見学や体験を通じて、あなたや家族に合ったサービスを提供している事業所を選ぶことが大切です。



介護保険サービスと介護保険外サービスを上手に組み合わせることで、本人らしい豊かな生活を実現でき、仕事と介護の両立が、より現実的になるでしょう!
出典一覧
- 介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/web - 保険外サービス活用ガイドブック (厚生労働省・農林水産省・経済産業省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001236607.pdf - ヘルスケアサービスガイドライン等のあり方について(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/arikatagaiyou.pdf - 一般社団法人介護関連サービス事業協会
https://csba.work



